今回は、「がん性疼痛とはなにか」について掘り下げていこうと思います
普段から緩和ケアに関わる看護師さんはすでに分かっていることかと思いますが
改めて知識の再確認という意味でもこの記事を読んでいただきたいです
また、まだ緩和ケアに慣れない看護師さんやがん性疼痛にもっと寄り添いたい看護師さん!
がん性疼痛の基本を押さえることで、より患者さんの理解が深まると良いです
時間による痛みの分類
- 急性疼痛
身体の傷害に続いて起こり、傷害の治癒によって消失する - 慢性疼痛
3~6ヶ月以上続く痛み - がん性疼痛
新しい痛みが次々と加わっていき、急性疼痛と慢性疼痛が複合した痛み
がん性疼痛の成因
- 腫瘍の直接的障害による痛み (発生頻度60%)
・神経圧迫
・骨および骨髄への浸潤・破壊
・内臓被膜及び内臓への浸潤・炎症・壊死
・血管・リンパ管圧迫による循環障害
・脳腫瘍の頭痛 - がん治療に伴う痛み (発生頻度10~15%)
・化学療法・放射線治療の副作用、手術後の瘢痕
※瘢痕…熱傷(やけど)、切り傷、交通事故などの外傷あるいは皮膚病によって、真皮ないし皮下組織に達する組織欠損が生じたあとの皮膚に肉芽組織ができ、その上を表皮が覆って治癒した状態。 - がんに直接関係しない疾患による痛み (発生頻度5~10%)
・間接的:褥瘡、便秘、全身虚弱
・無関係:関節痛、ヘルペス痛 - その他:精神・心理的因子…痛みに影響する因子
・身体の機能不全、不安、死への恐怖
がん性疼痛はなぜ起こるのか?
- 臓器の腫脹
- 腫瘍の神経・血管への浸潤
- 管腔臓器・血管・尿管などの機械的閉塞
- 骨転移
- 腫瘍による神経根、神経叢への圧迫
- 頭蓋内圧亢進
- 周辺組織の壊死・感染・炎症
※上記に恐怖心・不安・不信・不穏・ストレスなどが加わり
痛みが複雑になっていく
痛みによる日常生活への影響
痛みがあると行動することが億劫になり活動性が低下しますよね
改めて痛みによりどんな日常生活へ影響があるのか列挙してみました
・不眠 ・他者との関わり
・食欲低下 ・集中力の低下
・排泄 ・気分、感情の変化
・清潔 ・褥瘡
・歩行
痛みの存在がQOL低下を引き起こす!!
痛みの閾値という考え方
痛みの閾値とは:痛みを感じる最小限の刺激の大きさ
痛みの閾値の低下 痛みの閾値の上昇
↓ ↓
痛みを感じやすくなる 痛みを感じにくくなる
※閾値には個人差があり同じ痛みでも感じる強さがそれぞれ違う
→患者さんの訴えをよく聞く必要がある!
痛みの閾値を上げるケア
- 日常性の維持
入院により環境が変わっても、できるだけ元通りの生活に近づけるよう工夫する - 傍にいること
患者さんの味方であり、寄り添っていくことを意識する - 気分転換
- リラクセーション
- 音楽療法
- マッサージ
- ポジショニング
- 温・冷罨法
- 希望を叶える
病院の規則の中でできることを考える
まとめ
今回は「がん性疼痛とはなにか」について掘り下げ
疼痛の原因から生活への影響、看護ケアについて考えてきました
特に、痛みの閾値に関するケアでは看護師が薬を使わずに介入できるポイントであり
精神的苦痛の緩和で痛みの閾値を上昇させられる可能性があります
少しでも元の生活に近づけるようなケアを工夫していきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも読んでいただき絶対後悔しないコンテンツを制作していきます!
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ではっ
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