病棟で働く看護師さんなら患者さんの意識障害の出現に一度は遭遇したことがあるのではないでしょうか?
意識障害は急変に伴って出現することが多く、正直怖い、苦手という看護師さんも多いと思います
そんな意識障害にまだ遭遇したことのない若手看護師さん!焦らないで!
この記事を読んで少しでも自信を持って意識障害に対する看護が実践できるようになりましょう!
- 意識障害とは何かがわかる
- 意識障害の評価ができる
- 意識障害を及ぼす状態の鑑別が分かる
- 意識障害を有する患者さんへの対応のポイントが分かる
- 自分の看護に自信が持てるようになる◎
意識障害の定義
現場では声掛けに対する反応が薄かったり、はなまた反応が無かったりする場面で「意識が悪い」と表現することが多いと思いますが
実際はどのように定義づけされてるのでしょうか?
意識は、清明度(覚醒度、量的意識)と内容(認識、思考、判断、記憶など量的意識)に分けられ、意識障害は覚醒度と意識内容で判別することができます
意識障害とは、①意識レベルの低下、②認識の低下のいずれか、または両方を起こした場合と言えます
日本救急医学会では下記にように定義されているようです
意識とは,外界からの刺激を受け入れ,自己を外界に表出することのできる機能を意味する。意識障害とはこの認知機能と表出機能が低下した状態である。
意識障害 日本救急医学会・医学用語解説集 (jaam.jp)
意識障害の評価
先述しましたが、意識障害は覚醒度と意識内容で判別することができます
意識障害の程度や状況を多職種で共有したり、経時変化を観察するために評価ツールを使用した評価を行うことが非常に大切です
よく病棟で使われる2つのツールを紹介します
国家試験前に勉強したのに忘れてた~って方は正直に手を挙げて下さい(笑)
JCS(Japan Coma Scale)
JCS (Japan Coma Scale) | |
Ⅰ.刺激しなくても覚醒している状態 | 1:だいたい清明だが、今一つはっきりしない 2:見当識障害あり 3:自分の名前、生年月日が言えない |
Ⅱ.刺激を加えると覚醒する状態(刺激をやめると眠り込む) | 10:呼びかけで容易に開眼 20:大きな声、または体を揺さぶることにより開眼 30:痛み刺激を加えつつ呼びかけるとかろうじて開眼 |
Ⅲ.痛み刺激でも覚醒しない | 100:痛み刺激に対して払いのけるような動作をする 200:痛み刺激で少し手を動かしたり顔をしかめる 300:痛み刺激に反応しない |
GCS(Glasgow Coma Scale)
GCS(Glasgow Coma Scale) | ||
観察項目 | 反応 | スコア |
開眼 Eye opening | 自発的に開眼 言葉により開眼 痛み刺激により開眼 開眼せず | E4 E3 E2 E1 |
言語 Verbal response | 見当識あり 会話混乱 言語混乱 理解できない発声 発声なし | V5 V4 V3 V2 V1 |
運動機能 Motor response | 命令に従う 疼痛部位認識可能 逃避四肢屈曲反応 異常四肢屈曲反応 四肢進展反応 全く動かない | M6 M5 M4 M3 M2 M1 |

意識障害の原因
意識には、一次性(器質的脳障害)と二次性(全身の代謝異常などによる脳の機能障害)があります
原因は多岐に渡るため、意識障害を脳の障害と決めつけるのではなく、幅広い可能性があることを念頭に置く必要があります
もちろん、患者さんに診断を付けるのは医師ですが
看護師として原因鑑別を行うのも患者さんへのケアや対応を考えるために大切だと思います
鑑別診断に活用するためのツールとして「aiueotips」を紹介します
AIUEO TIPS (アイウエオ チップス)
A | Apoplexy Alcohol | 卒中 アルコール | 脳血管障害 急性・慢性アルコール中毒 |
I | Insulin | インスリン | 糖尿病性昏睡(DKA、低血糖など) |
U | Uremia | 尿毒症 | 代謝性疾患(尿毒症、肝性脳症など) |
E | Electrocardiography Endocrinopathy Encephalopathy | 心電図 内分泌異常 脳症 | アダムス・ストークス発作など アジソン病、甲状腺クリーゼなど 高血圧性脳症など |
O | Oxgen Opiate | 酸素 麻薬 | 低酸素血症、CO2ナルコーシスなど 麻薬中毒など |
T | Trauma Temperature | 外傷 体温 | 頭部外傷など 熱中症、低体温など |
I | Infection | 感染症 | 脳炎、髄膜炎など |
P | Psychiatry Poisoning | 精神疾患 中毒 | せん妄、心因反応など 各種中毒 |
S | Shock Sepsis | ショック 敗血症 | 各種ショック 敗血症 |
原因鑑別を念頭に置くことで、救急外来では事前情報の既往歴からや病棟では疾患の特徴からある程度意識障害の原因を予測する事ができ早期に対応することに繋がります
例えば、糖尿病内科の病棟であれば低血糖が鑑別の筆頭に上がったり
脳外科の病棟であれば新たな脳血管障害の出現や現病の悪化などが考えられるでしょう
意識障害のある患者さんへの対応
さあ、ここまで意識障害について学んできましたが
いざ!実際に意識障害の患者さんに対する看護ケアについて考えていきましょう!
意識障害はさまざまな原因が考えられるため、その原因によって対応は様々ですが
緊急度の高い疾患である可能性もあるため、生命維持が最優先事項となります
生命を維持するためには呼吸、循環、代謝管理が重要です
呼吸・循環に異常がある場合、緊急的な処置が必要となるため医師との連携が必要となります
☆呼吸・循環に異常がある場合
・気道の確保:
→舌根沈下時は、下顎挙上法やエアウェイ挿入
→GCS8点以下、JCS30以上では、気管挿管の適応となる
→吐物による気道閉塞や誤嚥に注意 嘔吐があれば側臥位にして吸引を行う
・酸素の投与
→酸素飽和度モニタリングを行う。いつでも酸素投与できるよう準備する
・循環のモニタリング
→急激な循環動態の変動が予測されるため、心電図モニターの装着とこまめな血圧測定を行い、早期発見に努める
まとめとポイント
・意識障害の重症度や緊急度は病態によって異なる
・「意識障害は緊急性があるかも」と疑って確認することが大切
・緊急性があれば、最初に呼吸と循環を安定化させる
ここまでお付き合いいただきありがとうございました
意識障害は落ち着いて観察し、今ある情報から原因を推論立て対応していくことが大切です
「この患者さんいつもと何か違うかも?」といった気づきも大切な情報だと思います
先輩看護師や医師と協力しながら患者さんを守っていきましょう!
ではっ!
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